「虫歯が自然治癒することもあるって本当?」
「自然に治る虫歯と、治療が必要な虫歯って、何が違うの?」
このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
多くの方は「虫歯になったら、歯科医院で治療しなければ治らない」と考えてしまうはずです。
しかし、中には「自然に治癒する」というケースも。
自然治癒する可能性がある虫歯を「初期虫歯」といい、歯に穴が空く前の状態です。
一見、健康な歯と変わりませんが、よく見るとエナメル質が白濁しています。
痛みがないため、ほとんどの人が「虫歯になりかけている」という事実にも気づかないでしょう。
その一方、痛みを伴う場合は既に虫歯が進行しており、自然治癒は難しくなります。
そこで本記事では、虫歯が自然治癒するというのは本当なのか?自然治癒させるための方法や自然治癒できない虫歯などについて詳しく解説していきます。
虫歯が自然治癒するって本当?
虫歯は、自然治癒で治る可能性があります。
治療せず、自然に治るかどうかは「虫歯の進行度合い」によって異なるのが特徴です。
「初期虫歯」であれば、唾液の再石灰化作用によって、自然に治る可能性があります。
初期虫歯とは、歯に穴が空いておらず、見た目は健康な歯とほとんど変わりません。
ただし、よく見ると白く濁っていたり、薄い茶色っぽくなっていたりします。
初期虫歯かどうかの判断は、専門家の診断が必要です。
定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見につながり、自然治癒の可能性を高められるでしょう。
しかし「歯が痛い」「しみる」といった症状がある場合には、既に虫歯が進行しているため、自然に治ることはありません。
早めに歯科医院を受診し、治療することをおすすめします。
虫歯を自然治癒させるための方法とは?
初期虫歯を自然治癒させるための効果的な方法は、下記の3つです。
- 唾液の分泌を促す
- フッ素入りの歯磨き粉を使用する
- 歯垢(プラーク)除去をする
ひとつずつ解説していきます。
唾液の分泌を促す
虫歯を自然治癒させるための方法1つ目は、唾液の分泌を促すことです。
唾液には、歯の健康をサポートする作用が、数多く含まれています。
- 自浄作用:口の中に残っている食べかすを洗い流してくれます
- 抗菌作用:口の中の細菌の増殖を抑えてくれるので、虫歯・口臭予防につながります
- 再石灰化作用:唾液に含まれるカルシウムやリンが、酸で溶けかかった歯のエナメル質を修復してくれます
- 口内のpHを調整する:食事を摂ったりジュースを飲んだりすると、お口の中が「酸性」に傾きますが、これを「中性」に戻してくれます
このように、唾液には、虫歯の進行を抑制してくれる効果がたくさんあります。
そのため、唾液の分泌量が増えると、虫歯菌の増殖を防ぐことができるのです。
唾液の分泌を促すためには、水分補給をしたりガムを噛んだりするのが効果的。
ただし、アルコールの摂取は、唾液の分泌を減少させてしまいますので気をつけましょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使用する
フッ素には主に3つの虫歯予防効果があります。
1.再石灰化の促進
唾液による歯の再石灰化作用を促進します。
2.歯質強化
フッ素が歯の表面のエナメル質と結合し、酸に溶けにくい丈夫な歯質を形成します。
3.むし歯菌の活動抑制
抗菌作用によりむし歯菌の活動を抑制し、酸の産生を抑制します。
フッ素入りの歯磨き粉を日常的に使用することで、虫歯の自然治癒につながるでしょう。
歯垢(プラーク)を除去する
虫歯を自然治癒させるための方法3つ目は、歯垢(プラーク)をしっかりと除去することです。
歯垢(プラーク)は、食後24時間前後で形成され、その後石灰化が始まり、約2日で歯石になってしまいます。
歯磨きの歯垢除去率は、おおよそ60%程度。
毎日丁寧にブラッシングしていても、約40%の歯垢が残ってしまうのです。
磨き残した歯垢(プラーク)から細菌が繁殖し、虫歯の原因となってしまいます。
歯垢をしっかり除去するためには、毎日の歯磨きはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシを併用するのがおすすめ。
また、定期的に歯科医院でクリーニングしてもらうと安心です。
自力で治せない虫歯レベルとは?
虫歯の進行度合いによっては自然治癒できません。
虫歯には、5段階のレベルがあります。
- CO
- C1
- C2
- C3
- C4
上記で解説した、自然治癒の可能性が期待できる初期虫歯は「CO」です。
自然治癒できない虫歯は「C1」〜「C4」となります。
CO
COとは「Caris Observasion」を略した言葉で、専門用語では「要観察歯」と呼ばれています。
虫歯になって間もないため、穴が空いておらず、痛みを感じることもありません。
COの段階であれば、歯を削る治療は必要なく、フッ素塗布によって歯の再石灰化をうながします。
しかし、自分で気づくことは難しいため、定期的に歯科医院を受診するようにしましょう。
C1
C1とは、細菌がエナメル質だけにとどまっている状態の虫歯です。
小さい穴が空いていることもありますが、エナメル質には神経が通っていないため、痛みを感じることはないでしょう。
C1の治療法には「歯を削って詰め物をする」という方法と「歯を削らず、フッ素を塗ったりクリーニングしたりする」という方法の2種類があります。
C1の段階であれば、歯を削らずに治療できる可能性も高いため、定期検診で早期発見することがポイントです。
C2
C2は、C1の虫歯が進行した状態で、痛みを感じるようになります。冷たいものがしみたり、虫歯部分が黒くなっていたりするのが特徴です。
虫歯菌が象牙質にまで広がっています。
治療法は、歯を削って詰め物や被せ物をするのが一般的です。
C3
C3は、歯髄まで侵された虫歯のことです。
歯の神経まで、虫歯菌に侵された状態で、何もしなくてもズキズキ痛いと感じることが多いです。
例えば「冷たいものがしみる」「食事中に、鋭い痛みがある」といった場合には、虫歯が進行し、歯髄が細菌に侵されているケースも少なくありません。
C3の治療は、主に「根管治療」が必要になります。
根管治療は「なるべく歯を抜かない」「歯を残す」ために、非常に重要となる治療です。
歯の神経を抜く根管治療を「抜髄」といいます。
歯科医院で「歯の神経を抜きます」という説明を受けた場合は「抜髄を行う」ことになります。
抜髄を行うことによって、痛みの原因を取り除くことができるでしょう。
C4
C4の虫歯は、歯の神経が死に、歯冠も崩壊した状態です。
虫歯の最終段階で、歯肉の中にある「歯の根元」だけが残っています。
根管治療の成功率はC3よりも低くなります。
神経が死んでしまうため、痛みを感じることは少ないでしょう。
ただし、抵抗力が弱まっているときには、突然激痛に襲われるケースもあるため注意しなければなりません。
C4になると最終的に抜歯となる可能性が高いため、定期的に歯科医院を受診し、虫歯の早期発見を心がけましょう。
虫歯の自然治癒を促進させるためには?
虫歯の自然治癒を促進させるためには、日常的に「フッ素入り」の歯磨き粉を使用することが効果的だということは、上記で解説しました。
一般的に、フッ素入り歯磨き粉の「フッ素濃度」は、1450ppmです。
ただし、歯科医院で歯面に塗布できるフッ素濃度は「9000ppm」と、非常に高濃度になっています。
そのため、定期的に歯科医院を受診し、フッ素を塗布してもらうことが「虫歯の予防」や「自然治癒」に効果的です。
虫歯の自然治癒を促進したい方は、定期的に歯科検診を行うようにしましょう。
また、歯科医院で定期的にクリーニングしてもらうことによって、自分では落としきれなかった歯垢や歯石を除去してもらえます。
クリーニングで口内環境が整えば、虫歯の進行を抑えることにつながるのです。
初期虫歯を見つけてもらえるため、自然治癒する可能性が高くなるでしょう。
まとめ|初期虫歯であれば自然治癒も可能
本記事では、虫歯が自然治癒するというのは本当なのか?自然治癒させるために効果的な方法や自然治癒できない虫歯のレベルなどについて詳しく解説してきました。
COの「初期虫歯」であれば、唾液の再石灰化作用によって、自然治癒が可能であることがわかりましたね。
しかし、初期虫歯かどうかを自分で判断することは難しく、痛みもないため「虫歯になりかけている」ということに気づくことができません。
虫歯の自然治癒を促進させるために、日常的に「フッ素入り」の歯磨き粉を使用するようにしましょう。
それだけでなく、定期的に歯科医院を受診し、高濃度のフッ素を塗布してもらったりクリーニングしてもらったりすることが大切です。
フッ化物応用(フッ素塗布)で、歯の質を強化し、虫歯菌の活動を抑制させましょう。
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最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。