「妊婦は、歯科検診が大切って本当？」
「妊娠中の歯科検診って、いつ頃行けば良いの？」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか？
妊娠中は、身体にさまざまな変化が表れますよね。
女性ホルモンの急激な増加や生活習慣の変化によって、口内環境も大きく変化します。
むし歯になりやすくなったり、歯周病が悪化してしまったりする恐れも。
それだけでなく、口臭がきつくなるケースも少なくありません。
このように、妊娠と口内環境には、深い関わりがあります。
「もうすぐ出産」という時期に、歯痛が起こらないようにするためにも、妊婦の歯科検診は非常に重要です。
そこで本記事では、妊婦歯科検診はいつ受けるべきなのか？妊娠中に歯科検診が必要となる理由や起こりやすいトラブルについて詳しく解説していきます。
妊婦歯科検診はいつ受けるべき？
妊婦歯科検診は、いつ頃受けるのが良いのでしょうか？
実際に「いつまで」という決まりはありませんが、おすすめの時期は「妊娠５ヶ月目以降」です。
妊娠初期であれば、つわりで気持ち悪かったり、体調が安定しなかったりしますよね。
また妊娠8ヶ月を過ぎると、お腹も大きくなるため、検診を受けるのがきつく感じるかもしれません。
そのため、妊娠初期と妊娠後期は避けるのがポイントです。
安定期に入った5ヶ月目〜7ヶ月目に歯科検診を受けると良いでしょう。
妊娠中に歯科検診が重要となる理由
妊娠中は身体の変化はもちろん、気持ちの浮き沈みなどもあるため、大変なことも多いですよね。
その大変な時期に歯科検診を受けるべき理由には、次のようなことがあります。
- 女性ホルモンの急激な増加
- つわりで丁寧な歯磨きができない
- 胃酸による口内トラブル
ひとつずつ確認していきましょう。
女性ホルモンの急激な増加
妊娠中に歯科検診を受けるべき理由の1つ目は、女性ホルモンが急激に増加するためです。
女性ホルモン（特にエストロゲン）が急増することによって、口腔内の状態に大きな影響を与えてしまいます。
歯周病菌のひとつである「プレボテラ菌」は、エストロゲンをエサにして増殖する性質を持っているため、妊娠中は歯周病が悪化する傾向にあるのです。
つわりで丁寧な歯磨きができない
妊娠初期の頃は、つわりで丁寧な歯磨きができない妊婦さんが多くなります。
無理に磨こうとすると、余計に吐き気が増してしまい、大きなストレスになる恐れも。
そのため、うがいだけで済ませてしまったり、短時間の歯磨きで終わらせてしまったりする人も珍しくありません。
丁寧に歯磨きができないことによって、口内環境が悪化してしまうのです。
胃酸による口内トラブル
妊娠中の歯科検診が重要な理由として、胃酸による口内トラブルが挙げられます。
つわりで嘔吐してしまうと、逆流した胃酸が口の中に広がり、歯のエナメル質を溶かしてしまうのです。
胃酸にさらされた歯は、一時的に弱くなってしまうため、表面が脆くなるのが特徴。
この状態が続くと、むし歯になりやすいのはもちろん、冷たいものがしみる（知覚過敏）などの症状も現れるでしょう。
妊娠中に起こりやすい口内トラブル3選
妊娠中は、口内環境も大きく変化することがわかりましたね。
ここからは、妊娠中に起こりやすい口内トラブルを3つ紹介していきます。
- 妊娠性歯肉炎
- むし歯
- 酸蝕症（さんしょくしょう）
順番に解説していきます。
妊娠性歯肉炎
妊婦さんがかかりやすい口内トラブルで、最も発生しやすいのが、妊娠性歯肉炎です。
上記でも触れたように、妊娠中は「女性ホルモン（特にエストロゲン）」が増加することによって、歯周病菌が増殖しやすくなります。
そのため、歯ぐきの血管が拡張し、炎症が起きやすくなってしまうのです。
歯ぐきが赤く腫れ上がったり、歯磨きや食事の際には出血しやすくなったりするでしょう。
妊娠性歯肉炎はそのままにしておくと、歯を支えている骨が溶ける歯周炎へと進行してしまうこともあるため、早めに歯科医院でクリーニングしてもらうのがおすすめです。
むし歯
妊娠中は、むし歯になりやすいのも特徴のひとつです。
つわりで丁寧なブラッシングができなかったり、ホルモンバランスの影響で、唾液の分泌量が減ったりします。
唾液には、口の中に残った食べかすや細菌を洗い流す自浄作用があります。
そのため、分泌量が減ってしまうと細菌が繁殖しやすい状態となり、むし歯や口臭の原因になってしまうのです。
酸蝕症（さんしょくしょう）
酸蝕症（さんしょくしょう）とは、歯の表面のエナメル質が、酸によって溶けてしまう病気です。
つわりによる嘔吐によって胃酸が逆流し、歯の表面を溶かしてしまいます。
また、妊娠中は「酸っぱいもの」を好んで食べる人が多いのも、酸蝕症になる要因のひとつ。
酸蝕症になると、知覚過敏になったり歯が欠けやすくなったりします。透明感がなくなり、歯が黄色く見えることもあるでしょう。
嘔吐後はすぐに歯磨きせず、うがいをして胃酸を洗い流します。歯磨きは、時間を置いてから行うのがおすすめです。
妊娠中の口内トラブルを放置するとどうなる？
妊娠中、歯周病を放置するとどうなるのでしょうか？
実は、妊婦さん本人だけではなく、お腹の赤ちゃんにも悪影響を及ぼしてしまいます。
妊娠中に歯周病を放置すると、早産や低出生体重児出産のリスクが上昇すると言われています。
歯周病が進行すると、体内で炎症を引き起こす物質が過剰に作られ、炎症性物質が血流に乗って子宮に到達してしまうのです。
到達した炎症性物質は、子宮収縮を促す要因を作ってしまい、早産になるリスクが高まってしまいます。
また、歯周病やむし歯を放置してしまうと、生まれてきた赤ちゃんにむし歯菌が感染する可能性が高くなるため注意しなければなりません。
元々赤ちゃんは、むし歯菌が存在しない状態で生まれてきます。
しかし、お母さんと赤ちゃんが食器などを共有することによって、むし歯菌が赤ちゃんのお口の中に入り込んでしまうのです。
そのため、妊娠中に歯科検診を受けることは、非常に重要と言えるでしょう。
まとめ｜妊婦の歯科検診は安定期に受けましょう
本記事では、妊婦歯科検診はいつ受けるべきなのか？妊娠中に起こりやすい口内トラブルや、放置するリスクなどについて詳しく解説してきました。
妊婦歯科検診は、妊娠5ヶ月〜7ヶ月の安定期に受けるのがおすすめです。
妊娠初期だと、つわりで気持ち悪かったり、体調が安定しないことも多いかもしれません。
妊娠8ヶ月を過ぎると、お腹も大きくなるので、仰向けの姿勢を維持するのが難しい可能性も。
体調と相談しながら、安定期に妊婦歯科検診を受けるようにしましょう。
そもそも、日頃からの口腔ケアやプラークコントロールが重要です。
妊娠初期には、妊娠前以上に「口腔ケア」や「プラークコントロール」をしっかりすることで、妊娠性歯肉炎などの口内トラブルを未然に防ぐことができます。
妊娠中にお口の健康を保つことは、生まれてくる赤ちゃんの歯の健康にもつながりますので、忘れずに受診することが大切です。
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最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。
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