「横向きの親知らずは、抜歯すべき?」
「親知らずが横向きでも、抜歯しなくて良いケースもあるの?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
親知らずの抜歯は、非常に大変なイメージがあるので、不安がつきまといますよね。
親知らずは歯列の1番奥に位置しているので、さまざまな問題を引き起こす可能性が高くなります。
中でも、横向きに生えている親知らずの場合、抜歯が必要となるケースも多いため注意が必要です。
そこで本記事では、親知らずが横向きに生える原因や抜歯しなくても良いケース、放置するリスクや抜歯後の注意点について詳しく解説していきます。
これから親知らずの抜歯を検討しているという方の参考になると幸いです。
親知らずが横向きに生える原因
親知らずが横向きに生えてしまう原因には、どのようなことがあるのでしょうか?
主な原因は、顎の大きさにあります。
顎の骨に十分なスペースがないことによって、1番奥の親知らずが生えるスペースが足りなくなってしまうのです。
これは、現代人の「食生活」が関係していると考えられています。
歯の大きさは、昔も今も大きな差はありません。
硬いものをよく噛んで食べると、顎の骨や筋肉が刺激され、顎の成長につながります。
しかし現代人は、昔と比べて柔らかい食べ物を好むようになりました。
そのため、昔と比べて咀嚼能力が低くなり、顎の骨が発達しにくい状態になってしまったのです。
親知らずが横向きでも抜歯しなくて良いケース
親知らずが横向きでも、抜歯しなくて良いケースはあるのでしょうか?
横向きに生えていても、痛みや腫れといったトラブルがなく、神経や隣接する歯に影響がなければ抜歯する必要はありません。
ただし、自分では判断できないため、必ず歯科医院を受診しましょう。
レントゲンやCT検査などで親知らずの状況を確認し、医師が「このままでも問題ない」と判断した場合は、経過観察となります。
ただし、将来的に口内環境に悪影響が生じてしまうケースも多いため、抜歯する可能性が高い点について理解しておくと良いでしょう。
横向きの親知らずを放置するリスク
横向きに生えている親知らずは、抜歯を提案されるケースが多くなります。
抜歯が推奨される理由は、そのまま放置すると、さまざまなリスクが生じてしまうためです。
横向きの親知らずを放置する主なリスクには、次のようなことがあります。
- むし歯の原因となる
- 隣接する歯に悪影響を及ぼす
- 智歯周囲炎を引き起こす可能性がある
ひとつずつ確認していきましょう。
むし歯の原因となる
横向きの親知らずを放置するリスクの1つ目は、むし歯の原因となる点です。
親知らずは、歯列の1番奥に位置しているため、歯ブラシが届きにくくなっています。
横向きに生えている歯は真っ直ぐに生えている歯と比べて、食べかすが溜まりやすく、磨き残しも多くなってしまうのです。
また、プラーク(歯垢)も蓄積しやすいため、親知らずだけでなく「第二大臼歯」のむし歯リスクも増加するでしょう。
隣接する歯に悪影響を及ぼす
横向きに生えた親知らずを放置するリスクの2つ目は、隣接する歯に悪影響を及ぼす点です。
隣りの歯(第二大臼歯)と横向きの親知らずが接している場合、接触部位にプラーク(歯垢)が蓄積しやすいため、親知らずだけでなく「第二大臼歯」のむし歯リスクが増加します。
歯の横面から虫歯になった場合、神経の部屋までの距離が短く、歯の咬合面から虫歯になるよりも抜髄になるリスクが大きいため注意が必要です。
また、隣りの歯に圧力をかけ続けるため、歯並びの乱れや噛み合わせの問題を引き起こすケースも。
特に、歯列矯正をした人であれば、せっかく整った歯並びが崩れることもあるため注意しましょう。
その他、隣接する歯が損傷したり歯の根が溶けたりする可能性もゼロではありません。
智歯周囲炎を引き起こす可能性がある
横向きの親知らずを放置するリスクの3つ目は、智歯周囲炎を引き起こす可能性があることです。
智歯周囲炎(ちししゅういえん)とは、親知らずの周りの歯茎が炎症を起こし、腫れて痛む症状。
智歯周囲炎になると、歯が痛むだけではなく、顔や扁桃炎が腫れたり口が開きにくかったりします。
非常に強い痛みを伴うのはもちろん、さらに重症化すると、身体全体に影響を及ぼすこともあるため気をつけなければなりません。
抜歯後の注意点
横向きに生えた親知らずを抜歯した後は、どのような点に注意すべきなのでしょう?
安静に過ごすことはもちろんですが、それ以外にも気をつけるべきポイントがあります。
抜歯後の注意点は、次の5つです。
- 出血している時はガーゼで止血する
- 腫れがある場合は患部を冷やす
- 食事に気をつける
- 喫煙と飲酒を避けること
- ドライソケットに要注意
順番にチェックしていきましょう。
出血している時はガーゼで止血する
抜歯後の注意点1つ目は、出血がある際には、ガーゼを用いて止血することです。
親知らずを抜歯した後は、30分〜1時間程度「ガーゼ」を噛んで止血を行います。
この時、強く噛みすぎるのはNG。適度な力でガーゼを噛み続けるのがポイントです。
血が止まればガーゼを外しても問題ありませんが、中には半日以上出血が続く人も。
その場合は、新しいガーゼと交換するようにしましょう。
腫れがある場合は患部を冷やす
抜歯後に、患部が腫れるケースも珍しくありません。
腫れている場合には、タオルで包んだ氷やアイスパック・冷湿布などで冷やすようにしましょう。
痛みが強い場合にも、患部を冷やすのが効果的です。
ただし冷やし過ぎは、血行不良を引き起こす要因になるため、逆効果になってしまうため気をつけましょう。
食事に気をつける
抜歯後の食事は、傷口に負担をかけない食べ物を選ぶことが重要です。
スープやおかゆ、ゼリーやヨーグルトなどの、柔らかい食べ物を選ぶようにしましょう。
また、辛いものや酸味の強いものといった、刺激のある食べ物は避けるのが無難です。
喫煙と飲酒は避ける
横向きの親知らずを抜歯した後は、喫煙や飲酒を避けるようにしましょう。
喫煙は、細菌感染のリスクを高めたり、傷口の治りを遅らせたりする可能性があります。
また、飲酒や激しい運動などは、血行が促進されるため注意しなければなりません。
最低でも2日〜3日程度は、飲酒や喫煙を控えるようにしましょう。
ドライソケットに要注意
親知らずの抜歯後は、ドライソケットになる可能性があります。
ドライソケットとは、抜歯した際の穴が塞がらず、骨が露出した状態のことです。
抜歯後、通常であれば、傷口に「血餅(けっぺい)」が形成され、穴を塞いでくれます。
しかし、血餅ができなかったり剥がれてしまったりすると、ドライソケットとなってしまうのです。
ドライソケットになると、耐えられないほどの激しい痛みが生じるのが特徴。
1週間以上、痛みが消えないケースも珍しくありません。
少しでも違和感があるときには、速やかに歯科医院で治療してもらうようにしましょう。
ドライソケットの予防法
ドライソケットの痛みは、抜歯後に発生する非常に激しく、持続的な痛みであるのが最大の特徴です。
通常の抜歯後の痛みとは異なり、鎮痛剤が効きにくいことも多く、日常生活に大きな支障をきたします。
ドライソケットの予防法を知っておくと安心ですよね。
ドライソケットの効果的な予防法は、次の通りです。
1.うがいを控えてください。
激しいうがいや、何度もうがいをすることにより血餅が流れ出ることがあります。
抜歯当日は特にうがいを控えて、口に含んだ水を出す程度にしてください。
2.吸う動作を控えてください。
気になって吸ってしまうと、抜歯窩から血餅を吸い出してしまうことがあります。
3.舌や指で抜歯部位を触らないでください。
血餅を剥がしてしまう可能性がありますし、指で触ると感染のリスクがあります。
4.喫煙はしないでください。
喫煙すると血管が収縮して血餅ができにくくなってしまいます。
5.飲酒、激しい運動、長時間の入浴は避けてください。
血流がよくなり、出血しやすくなり、血餅ができにくくなります。
6.抜歯部位と反対側で噛むようにしてください。
硬いものが抜歯部位に当たったり、食事したものが抜歯窩に入ったりすることで、血餅が剥がれてしまうことがあります。
7.歯ブラシは抜歯部位にあてないでください。
歯ブラシが当たって血餅が剥がれてしまうことがあります。
ただし、他の部位は普段通り歯ブラシを行い、口腔内を清潔に保ちましょう。
まとめ|横向きの親知らずは抜歯する可能性が高い
本記事では、親知らずが横向きに生える原因や抜歯しなくても良いケース、放置するリスクや抜歯後の注意点について詳しく解説してきました。
痛みがないからといって放置してしまうと、さまざまなリスクを引き起こす可能性があることが分かりましたね。
稀に抜歯しなくて良いケースもありますが、多くの場合は抜歯が必要となることを頭に入れておくと安心です。
親知らずの抜歯が必要かどうかは、自分で判断することはできません。
まずは、信頼できる歯科医院を受診し、レントゲンやCT検査などで判断してもらうようにしましょう。
「親知らずの抜歯を検討している」
「信頼できる歯科医院を探している」
という方は、ぜひ一度「和手歯科医院」にご相談ください!
当院では、保険適用外ですが、希望される方には「コラーゲン製抜歯創用補填材」
を抜歯窩に入れることも可能です。
ドライソケットを予防したり、止血作用、傷口保護、食べかすなどの異物混入予防、
疼痛緩和、治癒促進などの効果があります。
また、歯医者が痛くて苦手という方でも安心して通っていただけるよう、痛みの少ない治療を採用しており「なるべく歯を削らない・抜かない」「歯の神経を取らない」ことも心がけています。
患者さま一人ひとりの悩みに寄り添い、丁寧でわかりやすい治療計画を説明させていただきますので、多くの患者さまにご満足いただけるはずです。
阪神電車「甲子園駅」から徒歩1分の立地ですので、アクセスも抜群です。
矯正治療やインプラント治療のご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。




