「副鼻腔炎が原因で、歯が痛くなることもあるの?」
「虫歯と副鼻腔炎で、痛みに違いはある?」
このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、副鼻腔炎(蓄膿症)を発症した方の「約7割」もの人が「歯が痛い」と感じる経験をしているという報告があります。
副鼻腔炎と歯痛には、密接な関係がありそうです。
また、虫歯による歯痛と副鼻腔炎による歯の痛みは、見分けることができるのでしょうか?
そこで本記事では、副鼻腔炎(蓄膿症)で歯が痛くなる原因や副鼻腔炎による歯の痛みの特徴、一般的な歯痛と副鼻腔炎による歯痛の違いの見分け方や自宅でできる応急処置などについて詳しく解説していきます。
副鼻腔炎で歯が痛くなる原因とは?
副鼻腔炎(蓄膿症)を発症すると、歯が痛くなるのはなぜなのでしょうか?
副鼻腔には「上顎洞」と呼ばれている空洞があります。
この「上顎洞」は、上顎の奥歯の神経と非常に近い位置にあるため、炎症が歯に波及してしまうのです。
そもそも、副鼻腔炎(蓄膿症)を発症する主な原因には、下記のようなものがあります。
- 風邪ウイルスや細菌による感染
- アレルギー性鼻炎、または喘息
- 花粉やハウスダストなどのアレルギー症状
- 喫煙
- 大気汚染
- ストレス
- むし歯や歯周病
ウイルスや細菌・アレルギーなどの影響で鼻の粘膜が腫れ、鼻と副鼻腔の通路が塞がれてしまい、鼻水や膿が溜まってしまうという仕組みです。
副鼻腔炎がきっかけで、歯が痛くなるばかりではありません。
反対に、むし歯や歯周病が原因となり、副鼻腔炎を引き起こすケースもあるため注意が必要です。
虫歯菌や歯周ポケットの細菌が副鼻腔に侵入してしまい、副鼻腔炎を発症してしまう可能性もあります。
副鼻腔炎による歯の痛みの特徴
副鼻腔炎による歯の痛みには、歯の問題による歯痛とは異なる特徴があります。
主な特徴は下記の5つです。
- 特に上の奥歯が痛い
- 複数の歯が痛む
- 左右どちらか一方が痛むケースが多い
- 歯だけでなく、顔や鼻・額まで痛む
- 下を向いたり横になったりすると痛む
ひとつずつ確認していきましょう。
特に上の奥歯が痛い
副鼻腔炎による歯の痛みの特徴1つ目は、特に「上の奥歯」が痛くなることです。
上記でも触れたように、上の奥歯と副鼻腔は、非常に近い場所にあります。
そのため、副鼻腔の炎症が根元から神経へと伝わって、上の奥歯が痛くなってしまうのです。
複数の歯が痛む
複数の歯が痛くなるのも、副鼻腔炎の特徴のひとつ。
むし歯による歯の痛みの場合、一般的には「むし歯になった歯」だけが痛くなります。
しかし、副鼻腔炎で歯が痛くなるときには、複数の歯に痛みを感じるケースが多いのです。
理由は、副鼻腔の炎症範囲が広いほど、神経を通して複数の歯に痛みを及ぼすため。
「奥歯全体が痛い」という場合には、副鼻腔炎による歯痛かもしれません。
左右どちらか一方の歯が痛い
基本的に、副鼻腔炎(蓄膿症)の症状は、左右両方の副鼻腔に起こるものです。
しかし、歯の痛みに限っては、どちらか一方のみになることが多いと言われています。
特に「急性副鼻腔炎」を発症した方は、片方の歯だけが痛くなるケースが多いでしょう。
ただし、左右どちらの歯も痛くなることも。
痛み方には、個人差がありますのでありますので気をつけましょう。
歯だけでなく顔や鼻・額まで痛む
副鼻腔炎(蓄膿症)による歯の痛みでは、鼻や額など、顔全体が痛むこともあります。
痛みだけに留まらず、圧迫感を感じる場合もあるでしょう。
歯の痛みと並行して、顔や鼻・額の圧迫感がある際には、副鼻腔炎の可能性が高くなります。
下を向いたり横になったりすると痛む
下を向いたり横になった時に、副鼻腔の中に溜まっている膿の位置が変わります。
これによって、副鼻腔内の圧力が変化し、痛みを感じてしまうのです。
副鼻腔炎?それとも虫歯?歯が痛い原因の見分け方
副鼻腔炎が原因であれば、耳鼻科に行く必要がありますし、虫歯であれば歯科医院を受診しなければなりません。
「歯が痛い」と思ったときに、副鼻腔炎によるものなのか虫歯や歯周病によるものなのかを見分ける方法はあるのでしょうか?
副鼻腔炎で歯が痛い場合は、複数の歯や大臼歯(奥歯)に痛みを感じることが多くなります。そのため、前歯が痛い際には、副鼻腔炎の可能性が低くなるでしょう。
また、冷たいものが染みたり噛んだ時に鋭い痛みを感じたりする場合は、虫歯や知覚過敏である可能性が高くなります。
ただし、自分自身では正確な判断が難しいかもしれません。
まずは歯科医院を受診し、しっかりと診断してもらうのがおすすめです。
副鼻腔炎で歯が痛いときの効果的な対処法
副鼻腔炎で歯が痛い場合、自宅でできる対処法はあるのでしょうか?
速やかに耳鼻科や歯科医院などの専門機関で診てもらうことが1番ですが、仕事の都合や体調などの影響によって、すぐに受診できないこともありますよね。
ここでは、自宅でできる応急処置について紹介していきます。
- たっぷりと睡眠をとる
- 鼻うがいをする
- 患部を冷やす
- 辛い物を食べる
順番に解説していきます。
たっぷりと睡眠をとる
対処法の1つ目は、たっぷりと睡眠をとって体力を回復させることです。
副鼻腔炎を発症する原因はさまざまですが、風邪のウイルスがきっかけとなる場合が多くなります。
風邪を引いたときは、免疫力が低下しているため、体力を回復させることがポイント。水分補給も忘れてはいけません。
十分な睡眠をとることはもちろん、栄養バランスを考えた食事や、浴槽で身体をあたためることなども大切です。
鼻うがいをする
副鼻腔炎で歯が痛い場合の対処法として、鼻うがいも効果的です。
鼻を洗浄することによって、蓄積した膿や細菌を除去することができます。
それだけでなく、鼻詰まりや鼻水・頭痛などの症状も緩和されるでしょう。
ただし、やり過ぎてしまうと逆効果になるため注意しなければなりません。
鼻うがいは、1日2回を目安とし、洗浄液の温度や濃度を守って行うようにしましょう。
患部を冷やす
すぐに病院を受診できないときの応急処置として、患部を冷やすのも方法のひとつ。
頬の周りを冷やすことで、一時的に炎症をおさえることができます。
これによって神経が鈍化し、痛みが軽減できるはずです。
辛い物を食べる
副鼻腔炎で歯が痛い時には、辛いものを食べるのがおすすめです。
香辛料が含まれている食べ物には、鼻水を出してくれる効果があります。
スパイスの効いたものを食べて、舌や知覚神経を刺激しましょう。
副鼻腔内の鼻水が流れやすくなるため、重だるさや圧迫感などがなくなり、スッキリするはずです。
副鼻腔炎による歯の痛みはいつまで続くの?
副鼻腔炎による歯の痛みは、いつまで続くのでしょう?
副鼻腔炎で歯が痛い場合、副鼻腔炎の治療を行い、歯の炎症が治るまで痛みが続いてしまいます。
もちろん、痛みに波はありますが、しっかりと治療を行わない限り痛みは繰り返すでしょう。
自宅でできる応急処置などで、一時的に痛みが和らぐことはありますが、根本的な問題を解決しない限り痛みはぶり返してしまうはずです。
放置してしまうと、慢性化する恐れや合併症を引き起こす可能性も。
時間を見つけて、早めに受診することを心がけましょう。
まとめ|歯痛の原因がわからないときは歯科医院を受診しよう
本記事では、副鼻腔炎で歯が痛くなる原因や特徴、一般的な歯痛との見分け方や自宅でできる応急処置などについて詳しく解説してきました。
歯が痛くなる原因には、むし歯や歯周病・知覚過敏といった「口腔トラブル」だけでなく、副鼻腔炎が原因となるケースも珍しくありません。
副鼻腔には「上顎洞」と呼ばれる空洞があり、上顎の奥歯の神経と、非常に近い位置にあります。そのため、炎症が歯の神経まで波及してしまうことがわかりましたね。
「歯が痛いけれど、原因がわからない」
「むし歯か副鼻腔炎か確認してほしい」
という方は、和手歯科医院にお任せください!
一般的に、歯が原因かどうかを見極めるのに、デンタルレントゲン写真やパノラマレントゲン写真では2次元画像であるため判別が難しくなっています。
一方で、副鼻腔炎と歯の関係を調べるためには、CT検査が大変効果的!
当院ではCT検査により、3次元的に上顎洞と奥歯の歯の根の位置関係を正確に把握できるため、上の奥歯の複数ある根のうち「どの根が原因となっているのか」まで診断可能です。
また、和手歯科医院は、小さなお子さまから大人の方まで安心して通えるよう「痛みの少ない治療」を心がけております。
可能な限り「歯を抜かない」「削らない」「神経を残す」といった治療を行っていますので、歯医者が苦手という方でも無理なく通っていただけるはずです。
一人ひとりの悩みに寄り添って、丁寧な説明と納得のいく歯科医療を提供しておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
阪神電車「甲子園駅」から徒歩1分の立地ですので、アクセスも抜群です。
矯正治療やインプラント治療のご相談も無料で行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。